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第38回経営者コラム|トレンドについて考える06 “狭すぎる専門性”が売れる理由。 スーパーニッチ「超専門性」が勝つ時代

“狭すぎる専門性”──。

一見すると市場を狭めるように見えますが、今の時代にフィットしたマーケティングの新常識とも言えます。

振り返れば、昭和頃までは専門店のオンパレードでした、

身近なところで言えば、魚屋さんや八百屋さん、刃物屋さんなど。
この専門性をさらに深く掘り下げたのが、現代のスーパーニッチです。

ネット検索やSNSのアルゴリズム(*1)が専門性「スーパーニッチ(*2)」に

価値があると評価し、そこに強く絞ったビジネスが目立っているのです。

例えば、香水、食品、伝統工芸など、ジャンルや素材を一点に絞ることで、

認知度・信頼・ファンをつかむ動きが加速しています。

今回コラムは、4つの観点からその理由と実践ノウハウについて考えます。

(*1)アルゴリズムとは=ネット上の情報を自動で評価・表示する仕組み

(*2)ニッチ(niche)とは英語で「すき間」「くぼみ」のこと。ビジネスでは、大手や多数の競合が
まだ手を出していない、小さいけれど確かな需要がある市場のことを指します。

 

 

 

海外発“カリフラワーしか使わない専門店”。
「超特化型」=超専門性店舗が
支持を集めている!?

 

【海外事例】=「カリフラワー専門レストラン」

アメリカでは「カリフラワー専門レストラン」がヘルシー志向から注目を集め、

若年層の菜食・低糖質需要にフィットした店舗として人気に。

また、ニュージーランド発の「EatKinda」は、カリフラワーを原料にした
植物性アイスクリームでアメリカ進出し、成功を収めています。

 

画像出典:Staff Writer, “Lemon-Caper Cauliflower”, Reese Specialty Foods, 2021年7月12日,
https://www.reesespecialtyfoods.com/recipes/lemon-caper-cauliflower/,2025年6月13日アクセス

画像出典:Phoenix Magazine Editors, “March 2021 Restaurant Openings and Closings”, PHOENIX Magazine, 2021年3月30日,

https://www.phoenixmag.com/2021/03/30/march-2021-restaurant-openings-and-closings/,2025年6月13日アクセス

 

【ポイント】

  • 「一つに絞ると強くなる」
    品ぞろえが少なくとも、専門性が明確だと「ここに行けば間違いない」
    という信頼が生まれます。
  • 「話題性が高い」
    差別化された専門性は、ニュースやSNSで取り上げられやすく、
    人々の印象に残ります。

 

【国内実例】=「香水専門店」

東京や福岡などでは、香水を“ニッチ専門”で扱う「NOSE SHOP」が注目されています。37ブランド・300種を厳選して取り扱い、「香水ガチャ(商品名)」など体験型サービスも展開。
2024年に福岡店をオープンし、2025年にはさらに店舗を拡大。
専門香水市場で差別化に成功しました

NOSE SHOP店頭と什器(香り専門)

出典:天神経済新聞,“天神に香水専門店「NOSE SHOP」九州初出店”,天神経済新聞,2024年1月3日,
https://tenjin.keizai.biz/mapnews/7841/,2025年6月13日,x.com+14tenjin.keizai.biz+14tenjin.keizai.biz+14
出典:NOSE SHOP FUKUOKA by id inc.,Architizer,2024年,https://architizer.com/projects/nose-shop-fukuoka/,

2025年6月13日アクセス,architizer.com+6architizer.com+6architizer.com+6

画像出典:香水ガチャ,NOSE SHOP,
https://noseshop.jp/collections/perfumegacha?srsltid=AfmBOooqCyZlR0APm1EjfvYoFPae4S2B5krH08sbzmIjprUwh_mBvyiD
2025年6月23日アクセス

 

 

海外の「カリフラワー専門店」は、素材一点への徹底により、

消費者・メディア双方から注目を獲得し、

日本国内の「NOSE SHOP」は、香水専門性を打ち出し、

店舗・体験・話題づくりを一体化して信頼を構築することができました。

キーワードは、「消費者やメディア双方からの注目」「体験や話題作り」という点です。

 

 

アルゴリズム時代だからこそ
「狭く深い」が検索に刺さる構造
であることを知るべき!

 

アルゴリズムとは、ネット上の情報を自動で評価・表示する仕組みのことです。

検索結果で上位表示されるための施策「SEO」ですが、専門性が濃く深い内容ほど

評価が高まります。

 

GoogleやSNSでは、情報が“狭く深い”ほど専門性と判断され、
評価されやすくなります。たとえば「○○専門△△」というテーマを
定期的に発信すると、検索で上位表示され、SNSでも拡散力が強くなります。

出典:Architizer,“NOSE SHOP FUKUOKA by id inc.”,Architizer,2024年, https://architizer.com/projects/nose-shop-fukuoka/(アクセス日:2025年6月13日)

【前項専門店での応用例】

  • 香水専門店は「ニッチ香水」など明確なキーワードで検索流入が増加し、
    購入率も上昇。
  • 専門を打ち出すと、Googleマップでもカテゴリーとして蓄積され、
    検索結果が強化されます。

 

見出し・本文・HTMLの要素に「○○専門」や具体的な商品名を入れましょう。

SNS投稿でも「○○だけ」「専門」などの文言を明記してアピールしましょう。

 

「コレしかない」「なぜそこまでやるのか」が
コンテンツとして強い

【ストーリー性の重要性を認識する】

  • 専門を語る背後には必ず“理由”や“苦労”があり、そこに共感が生まれます。
  • 「なぜそこまでこだわるのか」は、メディアやSNS投稿での
    強力なテーマになります。

【具体事例】

  • 「NOSE SHOP」では、希少香水ブランドや調香師の思いをブログや取材で公開。香水ガチャ(商品名)や店舗デザインでそのストーリーを体感させています。

出典:NOSE SHOP,“NOSE SHOPについて”,NOSE SHOP公式サイト,2025.0613,
https://noseshop.jp/pages/about(アクセス日:2025年6月13日)

noseshop.jpnoseshop.jp+1noseshop.jp+1

  • 一方で海外では、医師が糖質制限から始めたカリフラワー専門店や、
    伝統工芸素材に特化した店舗など、ストーリー性がブランドの要に
    なっています。

チラシやWebページに「なぜこの商品なのか」「背景」を必ず記載しましょう。

起業や新商品開発にまつわるエピソードを、SNSやメディアを通じて
伝えることで信頼度が高まります。

 

 

地方でもできる“ミニマム特化型ブランド”
の作り方・発信のコツ

ミニマム特化型とは、「小さく始めて一つのことに絞ってとことん極めるやり方」。
いざそれを実践するにとなると、覚悟と勇気が必要でしょう。
実際のステップ例をご覧ください。

 

1.ニッチ(*2)選定・検証

「ニッチ選択」は、つまり、世の中にあるたくさんの分野から
「これは自分に合っていて、人からも求められる」と思える
小さな分野を見つける作業です。

言い換えれば「大手と同じ土俵ではなく、自分だけの場所で勝負する準備」

とも言えます。小さな企業でも強くなるための第一歩です。
例えば、GoogleトレンドやSNSで「素材+地域」で検索ニーズを調査。
要望が多ければ、その素材にフォーカス
することを行いましょう。

(*2)ニッチ(niche)とは英語で「すき間」「くぼみ」のこと。ビジネスでは、大手や多数の競合が
まだ手を出していない、小さいけれど確かな需要がある市場のことを指します。

具体的なニッチを挙げると、

・普通のパン屋ではなく「ライ麦100%のパン専門店」

・総合雑貨ではなく「豆皿だけを扱う器店」

・家具屋ではなく「木のスツールだけに絞った家具店」

2.体験・視覚の工夫


商品を「どう見せるか」は、お客様の印象を大きく左右します。
特に、特化型の商品は、“一点もの”の価値を伝えるための
「見せ方」が重要になります。

商品の写真を撮る場合、「白や黒背景の上に主役の商品だけを載せて撮影」
する
と、それだけで「専門的な印象」を与えることができます。
余計な装飾や背景があると、見る側の注意が散ってしまいます。

また、写真だけでなく商品を実際に体験してもらえる工夫も効果的です。
たとえば、試食、手に取れる展示、香りを感じる仕掛けなど。
店舗での体験はもちろん、イベントや出張販売でも
「この一点に絞っている」ことが伝わるようにすると、
記憶に残りやすくなります。

小さなお店や会社でも、“プロらしい印象”は視覚と体験の
設計次第でつくることができるのです。

 

3.Webページ設計


見出しや紹介文、Googleマップ情報に「○○専門」「素材名+専門店」
といったキーワードを入れ、検索にヒットしやすくしましょう。
インターネットでお店や商品を探す人は、
「専門性のある言葉」を使って検索する傾向があります。
だからこそ、ホームページやSNS、Googleマップの情報には、
「専門性を示す言葉」をしっかり入れることが大切です。

たとえば、パン屋であれば単に「パン」と書くのではなく、
「ライ麦パン専門」や「国産小麦のパン専門店」といった言葉を見出しや紹介文に明記しましょう。検索エンジンのGoogleなどでは、
そういった専門的な言葉を評価し上位に表示する仕組みになっています。

また、Googleマップにも「○○専門店」と入力し、
写真・営業時間・紹介文に専門性を感じさせる表現を入れることで、
検索結果に表示されやすくなります。

誰にでもできる内容のように思えますが、「どんな言葉で検索されるか」
を意識して文章を書くことは、お客様に見つけてもらうための第一歩です。

 

出典:天神経済新聞,“天神に香水専門店「NOSE SHOP」九州初出店”,天神経済新聞,2024年1月30日, https://tenjin.keizai.biz/mapnews/7841/(アクセス日:2025年6月13日)noseshop.jptecture.jp+9tenjin.keizai.biz+9tenjin.keizai.biz+9

4.メディア・資金調達を活用

メディア活用としては、専門性を切り口にした地域紙掲載など、

資金調達としては、クラウドファンディングなどを使いストーリーを伝える。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

まとめ

 

ネット時代の評価基準「アルゴリズム(*1)」をうまく活用すること!

“一点集中”の情報を探しやすくなったネット社会のいま。

スーパーニッチ(*2)「超専門性」はマーケティングの要とも言えます。

スーパーニッチ(*2)による「ストーリー」が共感と信頼をもたらし、

「なぜそこまでこだわるのか」が消費者やメディアの心を動かし、

ブランド価値を高めるのです。

自社らしい“専門”を見つけ、その理由と背景を語りながら

自社とブランドを磨き上げる、ブラッシュアップの時なのです。

ストーリーと検索による発信力をうまく利用し、

狭い世界「スーパーニッチ(*2)で深く強いファンを育てる。
自社の未来を育てる一つの選択肢として「スーパーニッチ(*2)」のこと、
考える機会に、本コラムがなりましたら幸いです。

 

(*1)アルゴリズムとは=ネット上の情報を自動で評価・表示する仕組み

(*2)ニッチ(niche)とは英語で「すき間」「くぼみ」のこと。ビジネスでは、大手や多数の競合が
まだ手を出していない、小さいけれど確かな需要がある市場のことを指します。

 

 

 

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