第2回【経営者コラム】
これからの中⼩企業・⼩規模事業者さまの広告宣伝。何からはじめれば?アフターコロナ対策だけでは⾜りない。⻑い⽬で⾒て、積み上げ、作り上げる。
“広告の⼒をうまく活⽤しながら、⾃社らしいポジションを築き、取り扱い商品の魅⼒を引き出す“
それが、広告宣伝のあり⽅です。
もしも、広告会社や制作会社に制作依頼を!と考えているなら、まずは、⾃社のウィークポイントや⽇ごろ気になっていること、困っていることなど、マイナスに感じていることを徹底的に洗い出すことから始めましょう。
そして、その内容をありのまま飾るコトなく広告会社や制作会社に伝え、議論しましょう。そうすることで、どう広告に向き合うべきか道が⾒えてくるのです。
コロナ禍に息づいた『ニューノーマル(新しい⽇常)』は、アフターコロナでも変わることはありません。
今後も、IT(デジタル)技術を取り⼊れたコミュニケーションは続き、さらに進化していくはずです。ですから、⽬先のアフターコロナだけを⽬指して広告宣伝を組み⽴てるのは、とても危険なことだと⾔えます。
それは、コロナが落ち着いた直後はうまく機能するかもしれません。
しかし、その先、⻑い⽬で⾒た⾃社のありかたや⾃社製品のアピールの⽅法を⾒据えた広告宣伝でなければ、いずれ顧客は離れていってしまいます。
では「中⼩企業や⼩規模事業の皆さま」にとっての広告宣伝、どう進めて⾏けば良いのでしょう。
はたして?広告宣伝って効果はあるの?
例えば、広告会社に広告宣伝の依頼をするとしましょう。
ここで重要になるのが、広告主と広告会社の歩む⽅向を、しっかりそろえる必要があると⾔うことです。
広告への向き合い⽅が「広く告げること」である広告会社と、「商品を売りたい。イメージアップしたい。
その⼿段が広告宣伝だ!」と考える広告主とでは、広告への期待度が全く異なるのです。
きっとこのコラムを読んでいるあなたも、広告に対する即効性や⼤きな成功などの期待があるでしょう。
しかし、ここで⽴ち⽌まってよく考えてください。
広告会社は、広告の成果成功を保証するわけではありません。
あくまで広告会社は、広告主の判断を基にし、ベストだと思える⽅策を提⽰し、組み⽴て、⼿助けを⾏う会社です。
しかし、広告主の判断が基と⾔っても、ただ単に広告主がやりたいことを投げかけるだけでは、⼀⽅通⾏になってしまいます。
腹を割って深く話し合い、⾒据える先を同じくして、ともにその⽅策を考える同志になったならば、広告のノウハウを持った広告会社の頭脳はフル回転し、メディアの選定や組み⽴てを⾏い、よい⽅策を打ち出してくるに違いありません。
⼤⼿企業ならば、広告宣伝の担当者とトップの考えが異なり、進⾏途中でガラッと⽅向性を変えなければならないことが⽣じることもあります。
ところが、中⼩企業や⼩規模事業を営む皆さまの利点は、担当者、トップ、広告会社の気持ちの距離が近いこと。
規模が⼤きくないからこそ、腹を割って深く話し合うことができやすい環境にあると⾔うことです。
多様化したコミュニケーション⼿段。未来を⾒据えた⽇本を代表する企業たちのマーケティングやコミュニケーション活動にヒントを⾒つける。
コロナ禍、さらに進化・多様化したコミュニケーションツール。
その中には、広告宣伝のコミュニケーションも、当然含まれています。
⽇本を代表する⼤⼿企業では、すでにコロナ禍の先を⾒据えた新しいコミュニケーションのあり⽅を⾒つけ始めていると⾔います。
その中には、きっと「中⼩企業や⼩規模事業を営む皆さま」へのヒントが隠されています。
では、「アサヒ飲料」「アルペン」を例に、考察してみましょう。
今年度のマーケティング戦略の⽅針
・効くコミュニケーションで、世の中を明るく・楽しくする。
・消費⾏動、メディア接触状況の多様化はひき続き進んでいる。
・広告会社、制作会社、クリエイターとの連携
・部⾨内の⼈材育成
・施したいことを実現するための予算が⾜りない
・専⾨知識
・実⾏⼒・⾃社・⾃ブランドについての理解
例2)アルペン
今年度のマーケティング戦略の⽅針
・購買データほか、お客様の趣味嗜好、様々な情報を駆使し、お客様が欲しい時に欲しい情報を届ける。 つくり⼿の理屈でなく、お客様のベネフィットに対し、お客様へどんなメリットを与えられるのかを発信をし 「クリック」や「来店」へ繋げるために「お客様との継続的なコミュニケーションを⾏う」ことが重要と考えています。
・昨今、表⾯的な販促メディア活動、特にデジタル広告はデジタル社会の中で埋もれ 認知されても、⼈の⼼には届かないと感じています。
「お客様へ、価値ある情報を創り、伝え届ける」広告情報発信ではなく、
継続的なコミュニケーションを意識しながら、⼼に刺さるマーケティング活動を⾏うことの必要性を感じています。
・企業のブランド価値を向上させること
・継続的な購買の促進、既存顧客への対応
・データの活⽤
・部内のマーケティングに関する知識・スキルが不⾜している
・デジタルテクノロジーに関する知識・スキルが不⾜している
・外部パートナーとの連携体制に不安・不満がある
※出典:宣伝会議7⽉号 国内主要企業38社2022年度の戦略と⽅針 ⼀部抜粋
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例1のアサヒ飲料は、マーケティング戦略に『世の中を明るく・楽しくする』を、挙げています。
疲弊した今の世の中「明るく・楽しく」は、中⼩企業や⼩規模事業の皆さまにとって、すぐに実践できる広告戦略のキーワードと⾔えるでしょう。
また、業務上で抱えている課題に『施したいことを実現するための予算が⾜りない』と答えています。
広告宣伝の予算の確保は、未来の顧客を獲得するための投資。
特に、中⼩企業や⼩規模事業の皆さまはしっかりと広告宣伝予算を管理し、継続可能だと判断した⾦額を打ち出し、その費⽤に当てると⾔うのが現実的です。
例2のアルペンは、マーケティング戦略の問いに対し『お客様へのメリットの発信、「クリック」や「来店」へ繋げるためのお客様との継続的なコミュニケーションを⾏うことが重要』と答えています。
ここで⾔う「クリック、来店」は、IT(デジタル)技術を取り⼊れたネット上でのコミュニケーションで、=(イコール)広告宣伝とも⾔えます。
このことから、⻑い⽬で⾒た継続可能な広告宣伝コミュニケーションが必要だと⾔うことが⾒えてきます。
さらに、実務上で抱えている課題に『マーケティングやデジタルに関する知識やスキル不⾜』、『外部パートナーとの連携体制の不満』を挙げています。
中⼩企業や⼩規模事業の皆さまにとって、広告宣伝の専⾨部⾨を社内に作ることは⼤変難しいことです。
ですから、⼤いに議論できる体勢を作りつつ、社外の広告会社や制作会社などの専⾨スキルをうまく利⽤し、継続可能な広告宣伝を⾏うべきでしょう。
まとめ
中⼩企業や⼩規模事業の皆さまにとって広告宣伝の予算確保は、未来への先⾏投資。
しかし、無理は禁物です。
⻑い⽬で⾒た「継続的広告宣伝(お客様とのコミュニケーション)」を⾏うためには、絶対的な持続可能予算の算出と、企業姿勢や実施したい施策を実現するためのパートナーである「腹を割って相談できる広告会社・制作会社」の⾒極めが肝⼼です。
⻑いスパンの広告戦略の途中で、定期的な費⽤対効果を確認しつつ、時には時世に合った戦略の⾒直しをおこないながら積み上げ、作り上げ、ぶれない⾃社⽬標を実現すべきなのです。