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第8回【経営者コラム】ビジネスの場での視覚効果を引き出す。SNSや自己表現でも役立つ色彩を味方につけた活用術。

 

事業を営む皆さまにとって、厳しい時期が続いています。

「出口を見つけることは難しいが何か打開策はないか?」と、

頭を悩ませておられるのではないでしょうか。

閉塞感があるいま、ビジネスシーンで強い気持ちになりたい!勇気を持ちたい!

そんな経営者さまに「色を味方につけた戦略」は、いかがでしょう。

歴代のアメリカ大統領が色の持つイメージのパワー使い

「情熱的な真っ赤なネクタイ」で演説や発信を行うのは有名な話です。

このように、人々の無意識の中に潜む「色彩心理学」を使い、

経営者さま自身のイメージや会社のイメージをなりたい!と思う方向へといざなう

ビジネスシーンでの活用術を中心にご紹介します。

 

色彩心理学を活用することで、事業の活路を見出す

現在研究が進みつつある「色彩心理学」という学問。

何となくの思い込みや感覚ではなく、実験や観察法など科学的なデータを

取ることで根拠が示される心の動きを統計的に分析したものを指します。

色が人のココロにどのような影響を与えるか、特定の色がどのような影響を与えるか、

どのような感情のときに特定の色を選ぶのか?そう!色には多くの心理効果があり、

感覚やカラダ、ココロにさえも影響を与えます。

事業を盛り立てる施策の一つとして、この根拠ある「色の力」を活用するというのは、

今からでもすぐ、実行できることなのです。

 

ビジネスシーンですぐ活躍。
人間関係を築きたいとき、服装に取り入れる色は?

例えば「人間関係をよくする色」とは?

どんな色なのでしょうか。

早速、ビジネスシーンの服装、ネクタイ、シャツ、スカーフ、ブラウスなどに

取り入れていただきたい「色」をご紹介しましょう。

 

初対面の場合

初対面のシーンでは、つい使いがちな「白、黒、紺」。

ベーシックなこれらの色を意図的に選ぶ人が多いのですが、

あまり使わない方がよいでしょう。

なぜなら、冷たい印象を与える可能性がとても高いのです。

そんな時は、「自分をこう見て欲しい!」と思う色をプラスしましょう。

自分を演出するプラス色を、7つ挙げてみます。

・美しく見られたいなら「淡いピンクやライラックなどの薄紫」。

・個性的に見せたいなら「濃い紫」。

・問題を解決したいなら「シアン=水色」。

・平和に事を運びたいなら「緑」。

・新しいことを進めたいなら「黄色」。

・一緒に頑張りたいなら「橙色」。

・相手の第一印象に残りたいなら「赤」。

 

すでに知り合いだが仲を深めたい場合

「橙系からピンク系の色、サーモンピンク」などを意識するのがオススメです。

親しみやすさを演出することができます。

 

■強くなり、前へ進みたい場合

そんな気持ちを高めるには「赤」がオススメです。

赤の面積が多すぎると色に気持ちが負けてしまうこともあるため、

ワンポイントで使うのが特にオススメです。

 

謝罪しなくてはならない場合

真面目に見られる「紺系」がオススメです。

青色の鎮静効果が相手の怒りを沈めるのにも一役かいます。

白いシャツ+紺系で誠実さが伝わります。

参考:ポーポー・プロダクション, 決定版 色彩心理図鑑, 2020.10.2, 日本文芸社

 

マーケティング的思考で色彩を考える

店舗に消費者がやってきて「買うか?買わないか?」の選択を決定するのは、

たった90秒だそう。これは、アメリカのマーケティング研究によるものです。

そして約93%の人が商品ビジュアルでそれを決め、さらには、

商品パッケージの色で最終判断をしている人は84.7%だそう。かなり高い数字です。

購入にいたる決め手は、「商品の見た目+色」なのです。(ベリッツィ、 ハイト 1992)

テレビショッピングなどで扱うバッグや財布。
その色の多くが45色展開になっています。

特にこの「5」というのは魔法の数字と言われ、

5色展開にすると売り上げが増えると言われています。

それが似た色の展開でも5色の中から選んでもらうと言うことが重要なのです。

人は色数が多いと興味が出るのに選べなくなり、色数が少ないと興味がなくなります。

そのバランスが5色であり、「私だったらこの色だな!」が、

時間と共に「私はこの色がほしい」に変わるのです。

参考:ポーポー・プロダクション, 決定版 色彩心理図鑑, 2020.10.2, 日本文芸社

 

事業所内で活用!
色彩を使った業務改善の施策

時間感覚を変える「長く感じる色」と「短く感じる色」というものが存在します。

『暖色系』の場所は、実際の滞在時間より時間を長く感じ、

『寒色系』の場所では、その時間を短く感じます。

この暖色と寒色のチカラを利用しているのが「日本オラクル」という会社で、

「赤い部屋」「青い部屋」とよばれる2つの会議室があります。

「赤い部屋」は、自由にアイデアを出し合い活発に意見交換をする会議に使い、

この会議室では何を発言しても社長から叱られることはありません。
逆に、「青い部屋」では、予算や営業反省会など慎重さと冷静さが求められる

シビアな会議が開かれ、社長が大声で怒鳴ることもめずらしくないそうです。
赤は、交感神経に作用し「精神を興奮させたり楽しい気持ちにさせたり」し、

青は、副交感神経に作用し「精神を沈静化させる」のです。

参考:情報労連 情報産業労働連合会(ICTJ), 20121113
53回『色が持つパワー』, https://www.joho.or.jp/column/20120620_0954021798

出典(画像):第6回:データベースだけでなく「次世代の企業システム」を見える化する
「日本オラクル」, 2006/9/20  https://thinkit.co.jp/cert/career/9/6/3.htm

ホワイトハウスでも、ブルーのカーテンやカーペットの「ブルールーム」が

応接室的に使われ、赤紫と赤の装飾品が並ぶ「レッドルーム」は、

歴代のファーストレディに愛された部屋だそう。

 

SNS発信で活用!
色合いを意識した写真を投稿してみる

ハリウッド映画では演出に合わせ、観客の感情をコントロールする
「カラーグレーディング」という手法で、画像をカラー調整しています。

恋愛映画では「赤系の色」を意識し、ホラー映画は「青色」で恐怖を増長させているのです。

過去を振り返る場面では、黄色を強くすると思い出のシーンの様に感じますし、

画面全体をダークトーンにすると、何か事件が起こるような雰囲気になります。

また、登場人物の肌をオレンジで補正して、背景を青系の色に調整することで人物を際立たせると言う手法もあります。

「カラーグレーディング」は、SNS投稿の際、すでに用意されている

フィルターを使い加工ができるものもありますので、

印象的に仕上げたい投稿画像で、ぜひ活用してみましょう。

 

ピンクがもたらした驚くべき事例

世界の刑務所には「ピンクの独房」があるのをご存知でしょうか。

専門家によると、ピンクは受刑者たちの攻撃を抑制するとして、

スイス、ドイツ、アメリカなどの刑務所独房の壁などがピンクに塗られています。

刑務所内でピンクを使用するという考えを最初に示したのは、

1979年に実験を行ったアレキサンダー・シャウス博士でした。

この時、独房を明るいピンクに塗ったところ、囚人たちの攻撃性が減少し、

その際使ったピンクは「ベーカーミラーピンク」と呼ばれています。

その後も実験が行われ、2011年、心理学者ダニエラ・スペース博士が

もう少し淡いピンク色を使って実験を行ったところ、より大きな効果が

あることがわかったのです。
その新しいピンクが「クールダウンピンク」と呼ばれる色です。

2013年には、30ほどのスイスの刑務所独房にこのクールダウンピンクを適用し、

受刑者らは、通常の独房の受刑者とくらべ数年に渡り、

攻撃性が著しく少ない状態と報告されています。

参考:カラパイア 不思議と謎の大冒険, 20210724,攻撃性を抑制する効果があると世界の刑務所で採用されているピンクの独房。
受刑者は「屈辱的」と不満の声, YouTube / Atlas Obscura

 

多くの方のイメージとして、「ピンク」は幼い女の子の好む色だと先入観があるかもしれません。

先入観を捨て、色の持つ力をうまく使うことが肝心なのです。

 

まとめ

服装に色合いをプラスすることは、簡単に実行できますが、

いざ、事業所内の色合いを変えるとなると大仕事です。

少しの手間で変化をもたらせるのが、映像や照明など使った色調の変化。

事業所の壁に映像を投影したり、明かりを暖色や寒色に変えたりすることで空間に色彩を与えるのもひとつの手です。

色の力は、従業員がリラックスできたり、事業が良い方向へすすんだりするなど、

まさしく、色々な可能性を秘めています。

ぜひビジネスシーンで、色彩心理学を応用した色彩活用を、

楽しみながら進めてみてはいかがでしょうか。

 

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