第15回【経営者コラム】社内はもちろん、取引先とのデジタルコミュニケーションに!「Web会議ツール」「チャットツール」の導入。
テレワークでDX化が進む中、インターネットを介した「Web会議ツール」で
“擬似対⾯的コミュニケーション”が取れる時代になりました。
⾃宅から会議に参加でき、取引先とのコミュニケーション⼿段としても⼤変有効です。
また、顔を合わせるほどではないにしても、コミュニケーションは密に取りたい!
そんな場合は、チャットツールを使⽤することでスピーディーに
社員同⼠の意思疎通を図ることができ、情報共有をも⾏えます。
今回コラムは、デジタルをうまく利⽤したコミュニケーション⼿段、
「Web会議ツール」と「チャットツール」に焦点を当て、
予算⾯を考慮した『無料版』をご紹介して⾏きます。
目次
テレビ会議とはどう違う?
「Web会議ツール」とは?
「テレビ会議」はビデオ会議とも呼ばれ、専⽤端末が必要となり通信する相⼿側にも同じ端末が必要です。
会議室などに参加者が集合し、テレビモニタに映し出されるライブ映像で、
複数⼈同⼠の会議に使⽤されることがほとんどです。
機器としては、ビデオカメラ、マイク、スピーカーなどを⾃社で準備、または、レンタルするなどした上で
使⽤することになります。
対し「Web会議ツール」は、インターネットを介しオンライン上で会議を⾏います。
参加者は、⾃分のパソコン、スマートフォン、タブレットなどから会議に参加することができるため、
通信相⼿同⼠が同じ機器をそろえる必要がありません。
「テレビ会議」は、設備への投資が必要です。
また、使⽤する際に専⾨的な知識が必要となる場合もあり、予算と⼈材が必要になるでしょう。
⼀⽅、「Web会議ツール」は、いつでもどこからでも会議に参加できますし、無料版であっても充実した機能があり、多くの企業が取り⼊れています。
リモートワークで、知名度が格段に上がった「Zoom Meetings」などが、それにあたります。
無料版であっても充実機能!
知名度の高い3つの「Web会議ツール」を紹介
無料であっても充実の機能を備えたWeb会議ツール。
皆さまもその名を聞いたことがあるかもしれない3種の「Web会議ツール無料版」の機能をチェックしてみましょう。
①知名度ナンバーワンとの呼び声高い
【 Zoom Meetings:ズームミーティング 】
■ 100⼈までのグループ通話が可能
100⼈以内規模であれば、無料版で運⽤が可能。
■ 無料プランは40分間利⽤可能
制限時間が近づいてきたら⼀度会議を終了させ、再度⽴ち上げるといった使い⽅も。
■ 録画データをデバイス上に保存できる(原則ホストのみ)
■ ホワイトボード機能を利⽤できる
取引会社さまやチームメンバーと共にホワイトボードを使ったディスカッションが可能。
共有もできるため、説明補助や理解促進になる。
出典: Business Chat Master, Zoom の無料利⽤は「40 分」時間制限や無料/有料版の違いを総まとめ,
2023,04,10,https://www.itreview.jp/products/zoom/profile#scroll
②Googleが実施する安全対策も魅力
【 Google Meet:グーグルミート 】
■ 参加⼈数は100⼈まで
会議の開催回数無制限。
セキュリティ強化のため、招待したユーザーが会議に参加するにはGoogle アカウントにログインする必要あり。
■ 最⻑60分間利⽤可能
■ Googleアプリと連携
Googleカレンダーから設定・招待や、会議予定を表⽰させることができる。
■ 会議中の⾃動字幕起こしができる
Google⾳声認識技術により、会議中の発⾔が⾃動的にリアルタイムで字幕(オプションを操作し)表⽰できる(英語のみ)。
■ 参加者と画⾯を共有できる
プレゼンテーションの共有やドキュメントの共同編集が⾏える。
■ 参加者とチャットができる
会議中にチャットメッセージを送信する機能を活⽤し、ファイル・リンク・メッセージを、参加者と共有できる。
出典: Google Workspace, 2023 年Google Meet の無料アカウントでできること。時間制限なしで使うには?,
2023,0609 アクセス,
https://workspace.google.com/intl/ja/resources/videoconferencing/#security%3Fo_ref=https:%2F%2Fwww.google.co.jp%2F
③カジュアルな会議で活躍
【LINEミーティング:ラインミーティング】
■ 最⼤500⼈でグループビデオ通話ができる
前提として参加者は、LINEへ登録しておく必要があり。
■ 時間制限なし
■ LINE友だち以外の⼈ともビデオ通話ができる
■ スマートフォン版、パソコン版、どちらLINEにも対応
スマートフォン版LINEはバージョン10.13.0、パソコン版LINEはバージョン6.2.0以上で利⽤可。
■ パソコン版での参加は、画⾯画共有ができる
■ 豊富な機能。YouTube動画視聴やフェイスエフェクト、背景設定も
出典: L ステップ公式ブログ, LINE ミーティングとは?特徴や使い⽅、グループ通話との違いを解説,
2023 年3 ⽉30 ⽇更新, https://linestep.jp/2023/01/25/line-meeting/
☝️Point☝️
参加⼈数や機能、ミーティングに集まる⼈たちの顔ぶれなどを検討の上、
Web会議ツールを選択しましょう。
また、メンバーによって複数のWeb会議ツールを使い分ると⾔うのも⼀つの⼿段です。
「Web会議ツール」のメリットとデメリット
◎メリットは?
■ 国内外どこからでも対⾯できる
「テレビ会議」と「Web会議ツール」の違いでも述べましたが、どこからでも会議に参加できることが「Web会議ツール」の最⼤メリットです。
海外とのやりとりでは、時差を考慮した時間設定さえすれば、ストレスなくコミュニケーションを取ることができます。
■ 経費削減と時間の有効活⽤につながる
遠隔地の取引先や⽀店、営業所などとのやりとりに取り⼊れることで、出張経費の削減となり、別業務への注⼒に時間を費やすことができます。
■ 社内外とのコミュニケーションが活発に
相⼿の表情を読み取りながら、コミュニケーションができるため、メールや電話より活発な商談となるでしょう。
■ ビジネスの決定スピードがアップする
出先の⾃社トップ判断を、いち早く確認・把握できます。
◎デメリットは?
■ 参加者それぞれのWeb環境により通信状況が左右される
「⾳が途切れる」「映像が固まる」などのトラブルが起こる場合がある。
■ ⼤⼈数会議の場合、1⼈ひとりの顔画像が⼩さくなり表情がわからない場合も
Web会議ツールを使うほどでもないが、
活発にコミュニケーションしたい。
無料版「ビジネスチャットツール」の利用
チャットと⾔えば、多くの⽇本⼈が使っている「メッセージアプリLINE」がありますが、
ビジネスシーンでの使⽤では、やりとりの透明化が難しくプライベートがなくなっているという話も⽿にします。
ご紹介するのは、ビジネスチャットツール「Slack」です。
ビジネスチャットという名のとおり、ビジネス的視点で構成されています。
【 Slack :スラック 】無料(フリープラン)
⽇本経済新聞、JR⻄⽇本、パナソニック、DeNAなど、名だたる⼤企業がSlackを導⼊していますが、グループやチーム、メンバーで利⽤するという点から、従業員数があまり多くない中⼩企業さま向きだとも⾔えます。
では、分かりやすくLINEと⽐較してみましょう。
LINEは、途中から会話に参加した場合、時系列で会話をさかのぼらなければ全容が把握できません。
また、1つの会話の中でも複数の会話が発⽣してしまい、話が前後するという現象を経験される⽅も多いでしょう。
その点、Slackには「会話をスレッドに格納する」という機能があり、1つのトピックに対し、返信した会話がまとまって表⽰されますので会話内容の全貌が把握しやすくなります。
これは、「途中から参加しても会話の背景や内容がわかりやすい」という特徴になります。
そのほかの特徴は以下の通りです。
■ メールのように堅苦しさがなく、会話のように社員同⼠がチャットで話せる
■ セキュリティに富んでいる
■ CCをつけなくても情報をシェアできる
■ 多様な外部サービスツールと連携できる
■ スピーディーに仕事を進められる
■ 書いた⽂章の間違いに気づいた場合など、⽂⾔編集ができ「編集済み」と表⽰される
■ ⼀つの画⾯で、チームメンバー、部署メンバー、個⼈メンバーなどを表⽰でき、切り替えられる
■ 特定の⼈だけを招待でき、ほかの⼈には絵閲覧できない様に鍵をかけられる
出典: slack, 株式会社ヴァリューズ, Slack はなぜ⼤企業に選ばれるのか?,
20223 6 ⽉10 ⽇アクセス, https://slack.com/intl/ja-jp
フリープランではメッセージの閲覧制限があり「直近90⽇以内に共有されたメッセージのみ」しか閲覧できません。
それ以前のメッセージが消えてしまいますので、注意が必要です。
Slackは単体でも便利ですが、外部サービスツールを連携しておけばバラバラに散らばっている情報を統合することができ、さらに業務効率UPにつながります。
連携できるツールは、2,000種以上です。
Web会議ツールとしてご紹介した「Zoom」の連携も可能です。
多くの事業者さまが使⽤している代表的な連携ツールとしては、
データ管理「Google Drive」、スケジュール管理「Googleカレンダー」、メールソフト「Outlook」、「Twitter」などが、挙げられます。
まとめ
「Web会議ツールを使ってみたいが、多くのツールが存在し迷っている」、
という事業者さまもいらっしゃるでしょう。
無料版を試してみることで、経費をかけず⾃社の事業形態にあった「Web会議ツール」や「チャットツール」を⾒つけることができます。
また、「使いこなせるか不安」と考えている事業者さまも、案外使ってみたら便利だし、使い⽅も直感的だ!と考えが変わるかもしれません。
少し前までガラケーを使っていた⼈も、スマートフォンを使っている今⽇、デジタルをうまく取り⼊れることで、仕事の効率化や経費削減に寄与することができるのです。