第21回 経営者コラム|もしもの時のホウレンソウ(報告・連絡・相談)。普段から事業所でどう備えるべき?広告発信で復興⼿助け!
まさに今、進⾏中の能登半島地震。
正⽉のアットホームな時間を襲った予期せぬ⼤きな災害は、熊本地震を経験したディーナさえも強い衝撃を受けることとなりました。
災害時、中⼩企業の経営者は、社員たちは、どう対応すべきか?
⽇本を震撼させる⼤きな災害を⽬の当たりにし、事業所の備えと対策を再考する必要があると考えます。
それは、災害時の報告、連絡、相談の体制はもちろん、復興への取り組み⽅も重要となります。
今回コラムでは、災害時の事業所運営のための仕組みと、地域復興に貢献する広告戦略について、そして、普段からできる社員⼀⼈⼀⼈の備えについて考えていきたいと思います。
目次
災害時、社員を守るには?連絡と計画。
まずは、普段からやっておくべき・考えておくべき、災害時、社員たちを守る対策について⼀覧にまとめてみます。
①緊急連絡網の構築
社員全員の連絡先をまとめ、情報共有しておく
②安否確認システムの導⼊
オンラインのアプリなどを活⽤した安否確認を取り⼊れておく
③緊急時の避難計画
事業所内の避難経路を明確化し、避難訓練の定期実施を怠らない
④⼼理的サポート
カウンセリングサービスなどメンタルサポートの導⼊を視野に⼊れておく
社員の安全を確保するためには、緊急連絡網の構築が必要です。
これにより、災害発⽣時にすぐに社員の安否を確認できます。
また、オンラインフォームや安否確認アプリの導⼊により、迅速で効率的な安否確認が可能になります。
また、緊急時の避難計画も⽋かせません。
事業所内の避難経路を明確にし、定期的な避難訓練を実施することが重要です。
熊本地震を経験した⼈ならば覚えがあると思いますが、災害は精神的なダメージをもたらすことが多いため、社員のメンタルヘルスをサポートする「カウンセリングサービス」を⽤意することも視野に⼊れておきましょう。
コロナ禍に養った社員の業務報告と共有。
普段から意識し続けることの重要性。
特に、社員⼀⼈ひとりが担当している仕事内容を普段から共有しておくことは、災害時対策として重要なことです。
コロナ禍のリモートワーク時にそうであった様に、各⼈の仕事内容をチームや会社全体で報告するネットワークを作り共有しておくことにより、チームとしての協⼒体制を促進することにもつながります。
また、災害が起こっても、事業を存続させるという意味で社員同⼠がカバーするということがポイントとなるでしょう。
① 普段から共有をおこなうことで業務を継続させる⼯夫
災害時、対応できなくなった社員がいても、他の社員がその業務を引き継ぐことができる体制を整えておきましょう。
② 重要な業務を⼀⼈の社員に依存させないリスク管理
リスクを軽減するためのバックアッププランを⽴てることを普段から⼼がけておきましょう。
③ トレーニングとスキル開発
社員が互いの業務内容を理解することで、スキルの交換や共有が促進されます。
これにより、災害時だけでなく⽇常業務においても柔軟な対応が可能になります。
④ チームワークの強化
業務内容の共有は、社員間の相互理解を深め、チームワークを強化します。
災害時には、チームとして協⼒し対応することが重要です。
このように、社員の業務内容の共有は、災害時だけでなく⽇常業務運営においても多くの利点をもたらします。
ですから「定期的なミーティングなどで業務内容の共有体制を整えること」を、おすすめします。
この体制整備は、社員⼀⼈ひとりに災害対策を意識してもらうこと、そして、整備対策の動きに参加をしてもらう必要があります。
対策を⾏う上で、まずは、社員の意識改⾰を⾏う必要があるかもしれません。
備えておこう!事業所を避難場所として活⽤することも視野に。
事業を存続させるためには、社員たちの暮らしを、そして、命を守る必要があります。
そのためには、事業所を社員とその家族のための避難場所にすることも念頭に置いておく必要があるでしょう。
社員の皆さんと相談したことがありますか?
事業所が避難場所になれば、安⼼できる社員もいるかもしれません。
耐震化、避難経路の確保、⽣活必需品の備蓄、応急設備の⽤意、衛⽣管理、通信⼿段の確保、快適性の向上、情報収集と提供の⼿段の準備、そして避難訓練の実施が必要ですが、社員やその家族と協⼒し合えば、乗り越えられることも多いはずです。
いろいろな備えを整えれば、災害時、社員とその家族の安全を確保し、⻑期間の避難⽣活をサポートすることも可能になるのです。
地域復興への貢献を広告という形で地域活性へつなぐ。
地域復興の⼿助けに関して、熊本地震ですでに経験済みという⼈も多いでしょう。
地域復興貢献としては、ボランティア活動の組織化、資源の提供、地元業者との協⼒が挙げられます。
寄付活動や復興関連イベントへの参加も、地域社会への貢献を⽰す効果的な⼿段です。
また、事業者としては、地域復興のための広告を制作するというのも発信となります。
それは、電波媒体、SNS、紙媒体などを通じ、地域復興のメッセージ発信などです。
そのことにより、地域社会に対する企業の貢献と関与を⽰すこともできますし、地域への貢献にもなるのです。
広告戦略においては、前述の様に電波媒体、SNS、紙媒体を通じて、地域復興に向けたメッセージを発信することになります。
例えば、電波媒体では、地域の復興ストーリーを紹介するCMを作成し、SNSではユーザー参加型のキャンペーンやビフォー・アフター投稿するなどが、地域復興広告の代表例です。
紙媒体では、情報提供型の記事や地元住⺠の声を紹介する広告が効果的です。
しかしながら、復興⽀援は⻑期での⽀援となります。
腰を据え、⻑い⽬で⾒た⽀援を相⼿の⽴場に⽴った広告であることが⼤前提です。
では広告の具体例です。
【過去の地域復興に関する広告】
①熊本地震後の「くまモン」を利⽤したキャンペーン
熊本県のゆるキャラ「くまモン」は、熊本地震後の復興⽀援の象徴として利⽤されました。
くまモンを通じて、被災地の情報発信や観光振興を⾏い、地域経済の回復に貢献しました。
②東⽇本⼤震災後の「がんばろう⽇本」キャンペーン
2011年の東⽇本⼤震災後、多くの企業や団体が「がんばろう⽇本」というスローガンを掲げ、国内外に向けた広告キャンペーンを展開しました。
これらのキャンペーンは、被災地⽀援と⽇本全国の⼈々の⼠気をあげることにも繋がりました。
③ニューオーリンズのハリケーン・カトリーナ後の観光促進キャンペーン
アメリカのニューオーリンズでは、ハリケーン・カトリーナの後、積極的な観光促進キャンペーンを⾏いました。
⽂化や⾳楽を前⾯に出した広告戦略で観光客を誘致し、経済復興に成功しました。
④ チリの銅鉱⼭落盤事故後の観光プロモーション
2010年のチリの銅鉱⼭落盤事故後、⽣還した鉱⼭労働者たちを利⽤した観光プロモーションが⾏われました。
このプロモーションは世界中の注⽬を集め、観光業の活性化に繋がりました。
広告例を⾒てみると、それらには地域の特⾊や⽂化を⽣かし、⼼に呼びかける広告であることが重要であると感じます。
【今現在も続いている災害プロジェクト】
① NHK 東⽇本⼤震災プロジェクト
震災を⾒つめる、震災の教訓を伝えると題して、最新ニュースと共に伝え続けています。
出典: NHK, 東⽇本⼤震災3.11を伝え続ける,2024年1⽉11⽇アクセス,
https://www3.nhk.or.jp/news/special/shinsai-portal
②ソフトバンク「3.11 TOHOKU 応援はつづく」キャンペーン
ソフトバンクによる東⽇本⼤震災の復興⽀援および震災の記憶を未来に残すための様々な活動について紹介されています。
出典: SoftBank, 3.11 TOHOKU 応援はつづく, 2024年1⽉11⽇アクセス,
https://www.softbank.jp/corp/sustainability/special/311
③ サントリー東北サンさんプロジェクト
サントリーグループは2011年にこのプロジェクトを⽴ち上げ「漁業」「⼦ども」「チャレンジド・スポーツ」「⽂化・スポーツ」の分野を中⼼に復興⽀援活動に取り組み、現在も継続しています。
サントリーグループによる東⽇本⼤震災復興⽀援プロジェクト
出典: SUNTORY, 東北サンさんプロジェクト, 2024年1⽉11⽇アクセス,
https://www.suntory.co.jp/company/csr/support
これらのサイトでは、各企業や団体による復興⽀援キャンペーンの具体的な内容や取り組みが詳しく紹介されています。
今回発⽣した能登半島地震の復興⽀援はもとより、事業所として⼿助けをしたいと考えているならば、過去の⽀援プロジェクトなどを⼿本にしてみてください。
まとめ
災害はいつ訪れるか分かりません。
それは、事業所が稼働している業務中に起こる可能性も⼤いにあるのです。
社員やその家族の安全を守り、事業所⾃体の動きを⽌めない。
そこには、事業に沿った計画を練り、緊急時の連絡体制や避難計画、⽇頃からの報告や相談、余⼒がある場合は、広告を通じた復興⽀援など、多⾓的な取り組みが不可⽋です。
災害に強い事業所を⽬指し、⽇頃からの準備を怠らない。
今すぐ準備を!もしもの時のための⼀助となれば幸いです。