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第27回経営者コラム|2024年上半期の
マーケティングトレンドとトレンドヒントの拾い集め方

マーケターの過去の経験や感覚だけでは乗り越えられない
新たな波が押し寄せています。

デジタルの社会の変化目まぐるしい今を生きる人たちは、何を求めているのか?
「お客様に届くマーケティング」を行うには、今この時のトレンドを知り、

未来のトレンドを予測しなくてはなりません。

Chat GPTの台頭により、昨年は「AI元年」とも呼ばれる年となりました。
この新たなテクノロジーの進化に伴い、顧客の消費行動はますます複雑化しています。
この複雑化を解き明かすには、データの再分析が不可欠です。
また、AIの普及によって製品の開発スピードが上がり、
製品がどれも似たり寄ったりになってしまう「製品の均一化」が進行中です。
その結果、多くの顧客が「体験」を重視するようになり、
事業者は、体験型で顧客との関係を深める方法を模索している
というのが現状です。


今回のコラムでは、進化と変化を遂げるマーケティングトレンドを探りながら、
その拾い集め方について、また、今後のPR展開にまで踏み込んで考察します。

 

 

トレンドとは?一体なに?

まず、「トレンド」とは何でしょうか?

それは、「動向」「(流れが)向く」などの意味を持ち、

そこから「傾向」「流行」「方向」などへと派生していきました。

そして、ものごとが進んでいる方向を示す言葉として「トレンド」が定着し、

ビジネスなどさまざまなシーンで用いられています。

マーケティングで言われる『トレンド』は、
消費者行動の変化や新しいプロモーション手法、最新の市場戦略を指すことが
多いですが、他の世界では以下のような意味を持っています。


1)
ビジネスシーン全般で言われる『トレンド』
新しい技術や市場動向、業界の動きなどを指す。

2) SNSで言われる『トレンド』
人気のある話題や急上昇中のコンテンツ、ハッシュタグなど。

3) その他で言われる『トレンド』の例
ファッションの流行やライフスタイルの変化、新しい食文化など。

4) 株式の世界で言われる『トレンド』 

株価の動きや市場の方向性、投資家の注目銘柄などを指す。

5) 世の中の動向で言われる『トレンド』 

社会現象や流行、政治経済の変化など、広範な範囲での変化。

 

 

拾い集めた「トレンドワード」から見えてくるものとは

 

では早速、ここ数ヶ月の「トレンドワード」と「その内容」を、
見て行きましょう。

01)
過剰さからの脱却。注目のファッショントレンド
Quiet Luxury(クワイエット・ラグジュアリー)」

写真元 : BAZAAR,2024/06/28,
https://www.harpersbazaar.com/jp/fashion/how-to-wear/g44749975/quiet-luxury-230809-hb/

シーズンごとにトレンドが変化するファッション業界で、
2023
年秋冬に大きな潮流となったのが「Quiet Luxury(クワイエット・ラグジュアリー)」。これは、目立つロゴや派手なデザインを控え、シンプルで上質なファッションを
指すワードです。米国のテレビドラマをきっかけに流行り、
ハイブランドだけでなくファストファッションにまで
「シンプルで上質なファッション」の傾向が広がりました。

出典:TransfoemationSHOWCASE今話題のマーケティングトレンド5, 2024/03/15,
https://transformation-showcase.com/articles/501/index.html
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クワイエット・ラグジュアリーは、サステナビリティの意識とも相まって、
ファッション業界以外にも波及する可能性が大いにあります。
自社取扱商品に置き換え、シンプルで上質をキーワードに展開するというのも良いでしょう。
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02)
タイムパフォーアンス重視のZ世代*1から人気。
「ショート映画」に隆盛の兆し

写真元 : PR TIMES,ショート映画の『SAMANSA』がAndroid版アプリをリリース,/2023/06/13,

https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000007.000082116.html

スマホでの動画視聴が一般化する中で、Z世代を中心に人気を集めているのが
「ショート映画」。長くても30分前後の短時間構成で、
著作権侵害の問題もないオリジナル制作の映画です。

出典:TransfoemationSHOWCASE今話題のマーケティングトレンド5, 2024/03/15,
https://transformation-showcase.com/articles/501/index.html

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時間の制約がある中、よく練られた構成の映画が多く、映画界の盛り上げにも
寄与しています。また、事業者が展開するCMの参考になる作品も見受けられます。
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03)
SNS
などのつながり過剰に疲れたZ世代*1に広がる
「デトックス消費」

写真元 : 神戸新聞NEXT, デジタルデトックスで「チル」から「ととのう」 SNS使い分けるZ世代の消費行動は? 武庫川女子大生,/2023/03/18,https://www.kobe-np.co.jp/news/hanshin/202303/0016152393.shtml

モノや情報が氾濫する現代で、Z世代*1を中心にブームとなっているのが
「デトックス消費」。具体的には、サウナや銭湯、自然の中でのアクティビティ、
デジタルデトックス、狭く深いコミュニティでのSNS利用などがこれにあたります。

出典:TransfoemationSHOWCASE今話題のマーケティングトレンド5, 2024/05/24/
,
https://transformation-showcase.com/articles/555/index.html
————————————————————————————
ストレス解消につながる消費行動も一種の「デトックス消費」と捉えられています
リラックスや、心地よいと感じる世界観の提供が鍵かもしれません。
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04)
観光地と観光客の双方に恩恵をもたらす
「レスポンシブルツーリズム(責任ある観光)

写真元 :白川村,白川郷レスポンシブル・ツーリズム,2024,0714,https://www.vill.shirakawa.lg.jp/srt/

観光客が地域の自然や生態系に配慮し、その土地の慣習や住民の生活を
尊重することで、持続可能な観光を目指す「レスポンシブルツーリズム(責任ある観光)」
が注目されています。
観光客の自発的なアクションが求められ、有名観光地でも取り組みが進んでおり、

環境破壊につながる日焼け止めを禁止したハワイの例や、

日本でも世界遺産を有する白川郷が特設サイトでマナーの実践を
呼びかけたことが話題になりました。

出典:TransfoemationSHOWCASE今話題のマーケティングトレンド5, 2024/06/25/,
https://transformation-showcase.com/articles/556/index.html

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より落ち着いた観光ができるなど観光客にもメリットがある方策で、
観光客数が減少しても、観光地への入場を有償化するなどの工夫次第で
総売上が増える事例も。
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*
1:Z世代とは
Z
世代の語源・由来はアメリカから伝わってきました。世代分類を指す言葉です。

広がったのはアメリカの「ジェネレーションZ」から来ていて、そこからZ世代という言葉で
日本国内で広がりました。読み方はそのまま「ゼット世代」です。

年齢は明確に定義されていませんが、「1990年半ばから2010年代生まれの世代」を指すことが一般的です。
(実年齢としては、大体2021年現在で考えると25歳以下の若い世代を指すことが多い)

デジタルネイティブ、SNSネイティブとも呼ばれるZ世代は、タイパ(タイムパフォーマンス)重視の効率主義、
強い仲間志向、仕事よりプライベート重視、多様性を重んじるなど、従来の若者以上に特徴的な価値観を持っています。

 

 

05)
荷主と運送事業者を引き合わせる「配送マッチング」

写真元 :HAKOBU,2024/07/08,配送事業者はマッチングサービスで選ぶ時代!?人気の配送マッチングサービス7

,2024,0714, https://hacobu.jp/blog/archives/63

「配送マッチング」は、運送車両の空き状況に応じて
荷物を送りたいユーザーとドライバーをオンラインで効率的に引き合わせるサービスです。
ドライバー不足やEC利用の増加を背景に市場は成長しています。

配送側は運送会社に限らず、個人事業主に特化したサービスもあります。

出典:TransfoemationSHOWCASE今話題のマーケティングトレンド5, 2024/06/25/,
https://transformation-showcase.com/articles/556/index.html
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あるレポートでは、「配送マッチング」の国内プラットフォーム市場は、
ドライバー不足やEC利用の増加を背景に、2026年度には470億円規模に
成長すると予測。まずはユーザーとして体験してみてみましょう。
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トレンドワードから見えてきたのは、シンプル、効率化、無駄の削ぎ落とし、サスティナブルだと感じます。
これらをどう料理するかは、事業内容次第です。

 

 

日々のトレンド収集に役立つ!
情報収集できるサイト& 媒体4選!!

マーケティングトレンドを集めるのに役立つ
サイトや媒体についてまとめました。

1
毎日の検索トレンドや急上昇しているキーワードを調べる
Googleトレンド」

 https://trends.google.co.jp/trends/?geo=JP

最新ニュースに関連するキーワードや注目を集めるキーワードが
ひと目でわかるため、今この瞬間のトレンドを調べたいときに便利です。

検索キーワードの期間や地域を指定したり、過去の同時期のトレンド比較を
したりすることも可能。

2)
SNS

生活者目線でトレンドを知りたい場合は、TwitterInstagram
YouTube
など、SNSで調べてみましょう。

年代別のSNS利用状況を把握し、展開に役立てましょう。

10代から60代のSNS利用率について、
総務省の「令和3年度情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査」
によると、
以下のような結果でした(一部抜粋)。

   

10

20

30

40

50

60

Twitter

67.4

78.6

57.9

44.8

34.3

14.1

Instagram

72.3

78.6

57.1

50.3

38.7

13.4

Facebook

13.5

35.3

45.7

41.4

31.0

19.9

YouTube

97.2

97.7

96.8

93.2

82.5

67.0

Tik Tok

62.4

46.5

23.5

18.8

15.2

8.7

単位:%

参考:総務省「令和3年度情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査」

 

3)
Yahoo!ニュース

https://news.yahoo.co.jp

メディア視点のトレンドやニュースを見つけるなら「Yahoo!ニュース」を確認。
国内外の話題からエンタメ、スポーツ、IT、科学など、さまざまなカテゴリの
ニュース速報を掲載しているのが特徴です。

ページ上部に表示されているトップの「主要」トピックス8本に目を通すだけでも、
トレンド情報が手に入ります。

また、Yahoo!ニュースを利用しているユーザーによるコメントや投票機能からは、
世論の動きもつかめるでしょう。

 

4)
新聞、雑誌などの紙媒体

専門家やプロの書き手によってまとめられた
トレンドを知りたい場合は、新聞や雑誌などの紙媒体が適しています。

Webメディアとの大きな違いは、印刷するまで何度もチェック工程があるため
誤った情報が少ないことと、簡潔な文章、見開きでまとめるレイアウト。
専門家などの深い知見を交えた企画が多く、情報を整理しやすいのも特徴です。

朝日デジタル/ https://www.asahi.com
毎日新聞/ https://mainichi.jp
読売新聞オンライン/ https://www.yomiuri.co.jp
日本経済新聞/ https://www.nikkei.com

 

 

 

トレンドワードを分析し、広報やPR活動に活かすには

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トレンドを分析する3つの基本方法
=======================

年間トレンドを分析

毎年のトレンドを追跡することで、特定の時期にトレンドになる事柄を
予測することができます。これは、前述の「Googleトレンド」のような
ツールを使用します。


四季のトレンドを分析

季節ごとのトレンドも分析しましょう。
例えば、バレンタインやクリスマス、節分などのイベントがいつから注目され始めるか
調べることで、関連情報を発信するタイミングを計ることができます。


年齢・属性ごとのトレンドを分析

トレンドは年齢や属性によっても異なります。
年齢や属性ごとのトレンドを把握するには、省庁の統計データや
企業・団体の調査リリースを利用します。

これらの方法を組み合わせてトレンドを分析することで、次のトレンドを予測し、
先手を打つことが可能となります。

===============================
トレンド情報を広報PR活動に活用するため施策
===============================


社内報を作成する

社内報にトレンド情報を取り入れることで、従業員の関心を高め、
自社製品などへの理解を深めることができます。


プレスリリースに盛り込む

トレンドキーワードをプレスリリースに含めることで、
検索にヒットしやすくなり、関連する記事を探している記者に届く確率が上がるとともに、提供内容の説得力が増すことになるでしょう。


トレンドをフックにメディアへ連絡する

自社のプレスリリースをメディアに取り上げてもらう際、
関連するトレンド情報をフックに使います。トレンド性を強調することで、
メディアの興味を引きやすくなります。


自社SNSでトレンドに関連する投稿する

自社のSNSアカウントでトレンド情報に関連する投稿を行うことで、
フォロワーを増やす手段となります。特にTwitterでは、トレンド情報をチェックする
ユーザーが多いため、ハッシュタグをつけて投稿し、多くの人の目に触れる機会を
生み出しましょう。


勉強会や意見交換会などのイベントを行う

トレンド情報を軸にしたイベントを企画し、自社のノウハウを共有する場を設けましょう。イベントをきっかけに、人々との交流の機会を増やすことも、一つの狙いです。

出典:PR TIMES MAGAZINE, 広報の腕を磨く!スキルアップのあれこれ,
2024.06.2
更新,https://www.kamedaseika.co.jp/news/20240522_21550/

 

 

 

まとめ

2024年は、AI技術のさらなる進化とともに、顧客の消費行動が複雑化すると予測されます。
このような時代において、マーケターはデータ分析をさらに深めることが求められます。
また、分析と同時に各方面からトレンドを収集・理解し、自社PRに活かす事で、幅広い広報活動の手助けとなるのです。

マーケターにとっては、目まぐるしく変化していくデジタル時代の中、新しいものへの興味と、探究心は、欠かせないものであると考えます。
熊本に拠点を置く弊社ならではの見解としては、熊本人気質の一つ「わさもん好き(わさもんずき)=目新しいものが大好き」が、マーケターにとって、必要な気質なのかもしれないと考える、今日この頃です。

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