お電話でのお問い合わせ 096-211-4052
< 営業時間 > 9:30-18:30
お知らせNEWS
カテゴリー
過去の記事

第29回経営者コラム|広告業界のDX化とは。 時代の流れと密接につながる
いまどきの「DX広告形態」を知る。

 

日本の広告業界の歴史は、明治時代に始まり、その後の大正、昭和、そして現代のデジタルトランスフォーメーション(DX)に至るまで、多くの変革期を経てきました。

明治時代には、「新聞」や「雑誌」が広告メディアとしての地位を確立し、日本初の広告代理店が登場するきっかけとなり、大正時代には、写真や印刷技術が導入され、専門の広告部門が設立されました。

これにより、広告制作における競争が激化し、数多くのスター広告クリエーターが登場し、グラフィックデザインが取り入れられるようになって行きます。

そして近年、デジタル技術の進化に伴い広告業界は大きく変貌しています。

それは、データ分析を活用したターゲティング、ソーシャルメディアの台頭、AIの使用など、デジタル化が進む中での新しい広告手法変貌です。

時代ごとの変遷は、社会や経済の変化、技術の進化と密接に関連しており、広告はそれを映し出す鏡と言っても過言ではありません。

今回コラムは、デジタルトランスフォーメーション(DX)であふれる今を見つめ、広告業界のDX化をキーポイントに、事業者が広告発信の取捨選択に役立つ情報をお届けします。

 

 

DX化前後の広告業界の変化

デジタルトランスフォーメーション(※以下DX)化される前の広告業界は、主にマスメディアを利用した一方向のコミュニケーションが中心で、効果を正確に把握することは難しい状況でした。
ところが、DXの進展は、広告業界に革命をもたらしたのです。
DX
化前後の具体例を見て行きましょう。

 

◎株式会社 電通

DX化-前】

・長年にわたり「テレビCM」「新聞広告」などの伝統的なメディアが主戦場でした。

・一方通行のマスコミュニケーションが中心。
 広告キャンペーンの成功は主に放送回数や掲載頻度、そして視聴率や読者数に
 依存しており、消費者一人ひとりの反応を把握することは困難でした。

 

 

DX化-後】

・デジタル技術を駆使して広告のパーソナライゼーション(*1)と効果測定を実現。

(*1) 「パーソナライゼーション」とは、各ユーザーの好みや行動に基づいて内容をカスタマイズすること。

・プログラマティック広告の導入により、消費者のオンライン上の行動に基づいて
 リアルタイムで広告の配信を最適化するようになりました。

・データ分析を活用することで、広告に対するターゲットの精度を高め、
 投資に対する効果を明確に測定することが可能になりました。

 

 

◎株式会社リクルートホールディングス

DX化-前】
・求人情報の提供で知られている同社。その主な広告手法は印刷媒体に依存していました。
特に「タウンワーク」「フロム・エー ナビ」などのフリーペーパーは、求職者に広く利用されていましたが、情報の更新頻度の限界や、広告やコンテンツを見るなどする獲得総人数、いわゆる「リーチ」の限界がありました。

DX化-後】
・求人情報のオンライン化に成功。Web上のサービスや情報発信を行う
Indeed」や「ゼクシィ」などを通じ、ユーザーの検索行動や好みに応じたカスタマイズ広告(*2)を提供しています。

(*2)「カスタマイズ広告」とは、ユーザーの興味や行動履歴に基づいて内容を個別に調整し、表示する広告のことです。より関連性の高い広告をターゲットユーザーに提供できる広告です。

AI技術を活用して求職者と求人のマッチング精度を高めることで、より効果的な人材紹介を実現しました。

 

 

企業例から明らかなように、DX化により広告業界は個々の消費者ニーズにすぐに応える能力を持つようになります。

また、事前に設定しておくことでのデータ上の意思決定も可能になります。
この変革は、広告のパーソナライゼーション(*1)だけでなく、広告効果の透明性と測定精度の向上にも寄与していると言えます。

(*1) 「パーソナライゼーション」とは、各ユーザーの好みや行動に基づいて内容をカスタマイズすること。

 

 

知識の更新はできていますか?DX広告トレンドをおさらい

広告業界のDX化は急速に進展しています。
以下は、日本国内で用いられている広告トレンドです。


1.インフルエンサーマーケティング
ソーシャルメディアで影響力のあるインフルエンサーを活用し、特定のターゲット層に向けた商品やサービスの認知度を向上させる手法。

2.プログラマティック広告
ツールを利用してデジタル広告の売買を自動化する手法
AI(人工知能)を利用して、マーケターと媒体の連携、関連するデータの収集、入札などの反復作業を自動化することで、マーケティング部門の負担を軽減することができ、効率的な予算運用が期待できます。

3. SNS広告
ソーシャルメディアの利用増加に伴い、SNS広告は費用対効果が他の媒体広告より高く、これまでリーチできなかったユーザー層に情報を広げられるといったメリットがあります。
この広告は、サイトやアプリに表示される広告全般を指し、テキスト、画像、動画など、表示スタイルはさまざまです。
SNS広告は、SNSを利用するターゲットユーザーに接触しやすく、ユーザーによる情報の拡大も期待できる広告です。
各広告内容を簡単にまとめました。

 Instagram広告
商品の画像や動画を画面全体に表示させ、インパクトを演出できる

 X広告
20
種以上の商品オプションが用意されており、投稿内容やメディアの魅力を最大限に引き出してアピールできる

 Facebook広告
アカウント開設時に自身の住所や出身学校、家族構成などを入力するため、それらを参考にした高精度なターゲティングを行える

 LINE広告
日本でも幅広い層に利用されているため、多様なユーザーにターゲティングが可能



4. 動画広告

YouTubeTikTokなどのプラットフォームで動画を活用した広告。短い動画で視覚的に強いインパクトを与え、視聴者の興味を引くことができます。
(
例・・TikTok広告)最大の特徴は、BGM付きのショートムービー形式により、視覚と聴覚両方からのアプローチを行い、ユーザーに強く印象付けられます。


5.
コンテンツマーケティング 

顧客にとって有益な情報やエンタメを提供し、ブランドや商品に対する信頼や興味を高める手法。
ブログ、動画、ホワイトペーパー(特定のテーマに関する詳細な情報や専門的な知識をまとめた報告書や資料のこと)としての役割)などが活用されます。

 

 

クリエイター・マーケッターのDX化に対する活動変化と今後に向けて

1. クリエイティブ部門の活動変化と行動指針

DX化により、クリエイティブ部門はデジタルコンテンツ制作が主流となり、動画やインタラクティブ広告が重要な役割を担うようになりました。
従来のテレビCMや印刷物に加え、SNSやウェブ上での迅速で柔軟なコンテンツ制作が求められます。
また、データ分析をもとにターゲットに合わせたクリエイティブのパーソナライズが可能となり、AIや自動化ツールを活用した効率的な制作へと進んでいます。
今後は、クリエイティブが、経験や直感ではなく、データ分析によって得られた事実や傾向をもとに意思決定をし、ユーザーが製品やサービスを利用する際の体験向上などを目的とした「VR」といった新技術の活用や、AIを使った自動生成コンテンツにも対応していくべきです。

 

具体的には、顧客の行動データ、購買履歴、Webサイトのトラフィック(*3)
SNS
での「いいね」やコメント、シェアをすることで示されるSNS上での人々の
参加度合い「エンゲージメント」を活用し、どの戦略が効果的かを判断し、改善や最適化を行います。
このアプローチにより、結果の精度が高まり、効率的で効果的な施策が可能になるのです。

(*3)Webサイトのトラフィック」とは、ある期間にそのウェブサイトに訪れるユーザー数や
ページ閲覧の総数を指します。これにより、サイトの人気度や訪問者の活動が測定されます。

例えば、広告配信において、顧客の興味や行動をもとにユーザーの好みや行動に基づいて内容をカスタマイズされた広告を作成し、効果を最大化するなどの手法です。

 

 

2. マーケティング部門の活動の変化と行動指針

マーケティング部門はデータ分析とリアルタイムでの「パフォーマンス測定」=活動やキャンペーンの効果を数値化することが可能となり、
顧客の購買行動を深く理解できるようになりました。

ターゲティングやキャンペーンの最適化を素早く行え、顧客一人一人に最適な広告を提供できる体制が整いました。
特に、前の項目で挙げた「プログラマティック広告」や「SNS広告」を駆使し、顧客体験に重点を置いた施策が求められています。

これからは、データ活用とAI技術の深化が進むため、マーケティング戦略の自動化や顧客の好みや行動に基づきカスタマイズされた広告をさらに推進しつつ、消費者との関係を深めるためのSNS上の人々とのつながりの強化を目指すべきです。

 

 

 

まとめ

DXは単なる技術の導入にとどまらず、企業文化や業務プロセスにも大きな変化をもたらします。
広告業界の各社は、これらの技術を自社のビジネスモデルにどう組み込むかを考え、持続可能な成長を目指しています。

広告主である事業者は、選定する広告業社が新たなデジタルツールをいかにうまく活用しているかを、知ることが必要です。

広告を出稿する際は、広告業社や制作会社とじっくり協議し、いかに上手くDX化した広告手法を取り入れているか?を、確認・協議することが鍵になると言えるでしょう。

さて、今回コラム、実は・・・

生成AIに「プロンプト(*5)」を出し文書化したものを、
筆者がさらにブラッシュアップしコラムにまとめました。画像も生成AIによる制作です。
(*5)「プロンプト」とは、AIに対して出す指示や質問のことを指し、AIがその指示に基づいてテキストや画像、音声などを生成すること。

プロンプティングでは、AIに対して具体的かつ効果的な指示を与えることが求められます。どのような内容を生成したいか、どのようなスタイルやトーンで回答してほしいかなど、詳細に指定することができ、AIがより的確な結果を返すためには、明確なプロンプトを作成する技術が重要です。
この技術の取得も社員や従業員の一つのキャリアとなるのかもしれません。

資料ダウンロード お問い合わせ