スタッフコラム| 社内コミュニケーション戦略に『社内報』というアイテムを

企業におけるコミュニケーションの形は、デジタル化の波とともに大きく変化してきました。
チャットツールやweb会議など、さまざまなコミュニケーションツールが日常的に使われる現代において、一見すると「古くさい」と思われるかもしれない『社内報』が、あらためて注目を集めています。
その理由は、情報過多となった現代だからこそ、企業の「核」となる情報を確実に伝え共有する手段として社内報が重要な役割を果たすことができるからです。
今回は、社内コミュニケーション戦略における社内報の可能性と、その効果的な活用方法について解説していきます。
目次
改めて見直したい、社内報の3つの強み
社内報は、単なる情報伝達ツールではありません。
改めて、社内報の持つ強みを見直してみましょう。
①情報の一元化とアーカイブ機能
日々、社内で発生する膨大な情報。
チャットでのやり取りは手軽で即時性がある一方、重要な情報が埋もれてしまいがちです。
社内報は、発信する情報を整理・集約し、企業として本当に伝えたい情報を確実に届けることができます。 また、社内報はその時々の会社の状況や取り組みを記録する「企業の歴史書」としての役割も果たします。新入社員の教育や、過去の施策を振り返る際の資料にもなるのです。
②企業文化・価値観の共有ツール
企業理念や価値観を浸透させる上で、社内報は非常に効果的なツールとなります。
経営層のメッセージや、理念に基づいた具体的な取り組みなどを定期的に発信することで、
企業文化の形成と維持に貢献します。
特に、本部と店舗などの他拠点型の企業や、リモートワーク等社員の働き方が社内でも様々な場合などの物理的な距離が生まれている企業は、この役割がより重要性を増していきます。
③部門間の壁を越えた交流促進
異なる部門の取り組みや社員の活動を紹介することで、部門間の相互理解を促します。
普段は接点のない部署の様子を知ることで、「会社の中の他部門で何が起きているのか」という全体像を把握することができます。
これは、様々な部門が絡むプロジェクトや新たなイノベーションのきっかけにもなります。
読んでもらえる!効果的な社内報作りのポイント
ポイント①経営層のメッセージと現場の声のバランス
▶︎社内報の信頼性と影響力を高めるためには、経営層からの明確なメッセージと、現場の生の声をバランスよく掲載することが重要です。
トップダウンの情報だけでなく、ボトムアップの情報も積極的に取り入れることで、双方向のコミュニケーションツールとしての価値がうんと高まります。
ポイント②双方向コミュニケーションの仕組み作り
▶︎読者からのフィードバックを得る仕組みを整えることも重要です。
記事への感想や意見をヒアリングしたり、アンケートを実施したりすることで、読者が欲しい情報を把握し、より魅力的なコンテンツ作りにつなげることができます。
ポイント③デジタルとアナログの使い分け
▶︎紙媒体とデジタル媒体、それぞれの特性を活かした発信が効果的です。
紙媒体は手に取って読むことができ、じっくりと内容を味わうことができます。
一方、デジタル媒体は即時性があり、動画や音声など、マルチメディアコンテンツを活用できます。
引用:https://corp.voicy.jp/2023/10/05/10377/
ポイント④継続的な発行を支える体制づくり
▶︎社内報の価値は、継続的な発行によって生まれます。
そのためには、編集体制の整備が不可欠です。
専任の担当者を置くことが理想的ですが、難しい場合は、一人に負担や責任が集中しないように、各部門から担当者を選出し輪番制で記事を作成するなどの工夫が必要です。
上記のポイントに気を付けながら、社内報の持つ強みを活かし作成していくことをオススメします。
社内報にオススメな企画
プロジェクトの進捗共有
重要なプロジェクトの進捗状況を定期的に共有することで、会社全体での理解と協力を促すことができます。
社員の活躍紹介
社員や部門の取り組みを紹介するコーナーを企画することで、社員のモチベーション向上につながります。また、他の社員にとっても良い刺激となったり、他部署の業務理解などにも繋がり、組織全体の活性化に貢献します。
研修・制度の活用事例紹介
社内の研修制度や福利厚生制度の活用事例を紹介することで、制度の認知向上と利用促進につながります。 実際に制度を利用した社員の声を掲載することで、より具体的なイメージを持ってもらうことができます。
毎月や隔月など、発行のタイミングは企業によって様々ですが、必ずいつか来てしまうもの、それが「ネタ切れ」です。
ネタ切れを起こさないために、社内の年間スケジュール、採用活動、動いているプロジェクトなどの情報はなるべく把握するようにしておくと良いでしょう。
また、定期的なネタだし他時間を設けたり、他社がどのような社内報を発行しているか気になる場合は、社内報をHP で公開している企業もありますし、自治体の広報誌などを参考にするのも有益です。
デジタルツールとの連携
さらに、社内報をデジタルツールと連携することで、それぞれの特性を活かした情報発信が可能になります。
社内報の発行を社内SNS の掲示板でお知らせしたり、取り上げたテーマについてチャット内で議論するなど、メディア間の連携を図ることで、より効果的なコミュニケーションが実現できます。
また、web 社内報を活用すれば、関連記事へのリンクや動画コンテンツなど、デジタルならではの機能を活用できます。
スマートフォンでの閲覧に対応すれば、読み手は場所や時間に縛られず必要な時に必要な情報にアクセスできます。
制作側は、記事ごとのアクセス数や閲覧時間などのデータを収集・分析することが可能なので、ニーズを把握しより効果的なコンテンツ作りにつなげることができます。
まとめ
社内報は、企業文化の形成・維持、他部署間の連携促進、社員のモチベーション向上など、多面的な効果をもたらす「戦略的なコミュニケーションツール」として捉えることが大切です。
また、デジタルツールが普及した今だからこそ、社内報に出来ることが多くあります。
コミュニケーション戦略のひとつとして『社内報』があることで、企業の一体感を創り出し、持続的な成長につなげることができると感じています。
ぜひ、皆さんの企業でも、社内報という「アイテム」の可能性を検討してみてはいかがでしょうか。